脱毛のしくみ
脱毛の仕組みについて
毛は、皮膚から出て目に見える部分「毛幹」と、皮膚の中にあって目に見えない「毛根」とに分けられます。
毛根の構造
毛を作り出しているのは、「毛根」です。
球状に膨らんだ毛根の根元は「毛球」と呼ばれ、毛球の内側にあるのが「毛乳頭」です。
毛乳頭は、毛細血管が運んでくる栄養分を取り込み、毛球内部にある「毛母細胞」に与えます。
栄養分を受け取った毛母細胞は分裂を繰り返し、次々に細胞を押し上げ、毛が成長します。
毛周期と医療レーザー脱毛
毛には一定の寿命があり、発毛と脱毛を繰り返しています。
これを毛周期と呼び、「成長期」→「退行期」→「休止期」の大きく分けて3つの段階を経ます。
成長期:毛が成長を続けている時期
毛根にある黒い色素(メラニン色素)に反応して、レーザーの熱が蓄積され、他の皮膚組織にダメージを与えることなく脱毛することができます。
退行期:成長を終えた毛が抜け落ちるまでの期間
この時期の毛に照射すると、毛は抜け落ちても、毛根の持つ毛の再生能力にダメージを与えることができないため、永久脱毛になりません。
休止期:次の成長を始めるまで活動を停止している期間
毛が生えていないため、レーザーが反応せず、脱毛の効果を得ることはできません。
自己処理を続けていると・・・?
こんなトラブルにつながります
1. 埋没毛
かみそりや毛抜きを使って自己処理を続けた際によく見られます。毛が皮膚の下に埋まってしまい、炎症を起こしてしまったり、皮膚組織へダメージを与えたりします。
埋没毛の対処はとても大変ですし、そのままほっておくと痣が残ってしまうこともあるので、大変厄介です。
2. 色素沈着
ワキなどの色素が沈着しやすい部位では、ムダ毛の処理を続けることでお肌が黒ずんでしまうことがよくあります。ワキに限らず、発毛の多い部位は、炎症や刺激によってメラニン細胞の活動が活発になってしまい、色素沈着が起こりやすい状態になりやすいのです。
3. 肌荒れ、乾燥
自己処理により角質層がダメージを受けると、お肌を正常に保っている機能が崩れてしまい、肌荒れの原因となります。元来備わっているバリア機能が弱まることで、お肌の乾燥を招き、乾燥が肌荒れをさらに悪化させるという悪循環に陥ってしまいます。
脱毛が1度で終わらない理由
毛には毛周期があるため、その周期に合わせて脱毛を行うことが最も効果的に脱毛をすすめることになります。医療レーザー脱毛はエステと比較すると期間も短く終わりますが、そのためにはこの毛周期に合わせた施術が必要になります。
私たちの目に見えている(皮膚の表面上に出ている)毛は、毛全体の約30%といわれています。したがって、照射をしても残りの70%の毛には照射されていないため、脱毛を行うことができません。2回目の脱毛はレーザー反応しなかった毛(退行期や休止中の毛)が成長期になるのを待ち、1度目に反応しなかった毛に照射をします。こうして少しずつ毛の量を減らしていくため、脱毛には複数回の回数が必要となります。
どれぐらいの期間で脱毛が終了するかは、患者さんの体質や照射する部位によって異なってきますが、およそ1年程度で終了します。